ログハウスを建てる工務店側の裏事情
どの工務店がログハウス建築に適切か?
良いログハウスを建てるには、工務店に依存する所が大きいです。
でも実際は工務店選びは難しいです。
良いログハウスを建ててくれる工務店が少ないからです。
なぜ工務店は本物のログハウスを建ててくれないのか?
それは工務店側に色々な事情があるからです。
工務店選びに知っておいた方が良い工務店の裏事情をまとめてみました。
ログハウスを建てたくない! 工務店側の裏事情
工務店の儲けの裏事情
多くの工務店の経営は厳しいです。倒産の話もけっこう聞きます。
家が売れない。
供給過剰、デフレ、人口減 ・・・
それには色々な理由があるのでしょう。
家が売れない状況なので、値段は上げられないです。だから出来るだけ安く作り販管費を回収する傾向にあります。
例えば、ログハウスを安く建てたいと思い、部材が少なくした間取りにしたとしても、思う様に安くならない場合があります。
コストダウン分は工務店がポケットに入れてしまう事もあり得ます。
売れない住宅を安く売ったら工務店はあまり儲かりません。
でも、実は儲ける仕組みがあります。
今、30年保証が新築住宅では当たり前になっていますが、10年後に大幅なメンテナンスを行う前提での保証になっています。
メンテナンスとして壁や屋根の塗装などを含めて数百万円、工務店は請求します。この分が儲けになります。
しかし、ログハウスの場合、外壁塗装など、顧客自身でメンテナンス出来る部分もある為、あまり儲けにならないといった事情があります。
大工の手間賃の裏事情
工務店は家が売れていなくとも大工に仕事を出していかなければなりません。
出来るだけ安く建売住宅を作ろうとします。
その時の大工の手間賃は必然、安くなります。
建売住宅の建築の場合、
一か月半で2人で建てて、2人の大工の手間賃は100万円もないという話も聞きます。
この100万円には釘などの部材や道具代金、保険料金も込みなので、安い手間賃だと言います。
それでも仕事が無いよりましなので、安手間賃で短期間に数を建てる ・・・
そんな働き方をしている大工職人も少なくない様です。
その上、工務店の中には、現在行っている建築が終わらないと、前の家の建築の手間賃を払わないといったルールを決めているなんていう話も聞きます。
支払いは現金ではなく、手形でとなると、大工が実際に現金を手に出来るのはさらに先になります。
収入という意味で辛い立場にあるのは、大工は2次、3次の下請負である為です。
また、上手い熟練の大工は手間賃が高いので、工務店は安く使える大工に仕事を出す傾向があるそうです。
それ故、上手い大工程、仕事が少ないといった事態になりがちらしいです。
家を建ててもらう方からすると腕利きの大工に建ててもらいたいのでしょうが、現実はそうならない場合が多い様です。
それだからか、工務店任せにするのではなく、大工を指定してログハウスを建ててもらったという人もいます。
ログハウスを作れる大工はあまりいない
工務店は普段から安く家を建てているので、ログハウスの様な手間がかかる建築は少ないです。
最もログハウスを多く建てていると思われるBESSでさえ、ログハウスより他の家の方が多いと言います。
釘やビスを打ち付ける仕事しかしたことない大工だと、勝手が違うログハウス建築では仕事を任せられないと言います。
上述の安い手間でも、仕事がある方がましなので、建売住宅に従事している大工職人も少なくないです。
腕が良い大工でも、短期間で建てなければならない建売住宅を手掛けていると、手間がかかるログハウスにとても関われないといった状況にもなります。
結局、ログハウスを建てようとしても、工務店はログハウスの建て方が分かっている大工を集めるのが難しい状況です。
ログハウス建築は大変なので手を抜きたい
安く作る建売住宅の場合、壁は工場で作り、現場では立てかけて釘を打ち付けるだけで済む場合もあるでしょう。
一方、ログハウスの場合、ログを積み上げなければなりません。
それにダボという木の棒を打ち付けてログ壁が崩れない様にします。このダボを入れていく作業がかなり大変です。
それ故、多くのログハウスの工務店はダボを減らし、主に通しボルトにしてしまう傾向にあります。
しかもログの内外の両方でログ壁を挟む様に簡易な方法も!
ダボの方がログ壁がしっかり締まり、本当はログハウスにとっては良いです。しっかりしたログハウスを作る場合は、ダボをかなりの本数打ち込みます。
また、ノッチはログハウスの四隅だけあれば良いわけではありません。
ドアやサッシなど大きな開口部分にはノッチを入れて壁面を安定させて作るのが本当のログハウスです。
間仕切りの壁もログ壁だとログを積み上げ、またダボを入れなければならなくなります。
それだからか工務店からするとログを使わず壁を作った方が安上がりです。
それ故、天井にジャッキで固定するといった、日本独自のログハウスになってしまいます。
この様に、工務店側の都合では、ログハウスをまともに建てると工期がかかり過ぎです。儲けになりません。
ノッチやダボ、ログ壁を減らして、コストを削減したいのです。
工務店が自由設計ではなくモデルプランを薦める理由
広告宣伝上は自由設計も扱っている様にみせても、工務店は自由設計ではログハウスを建てたがらないです。
モデルプランなら同じ家をなんども大工は作る事になります。熟練大工でなくとも、工程を覚える事が出来作り易いです。
また、ログなどの木材は4メートルの長さで仕入れます。
中途半端な長さだと材料が無駄になります。
モデルプランはその無駄を抑え、コストを考えた大きさになっています。
設計士もしかりでログハウスを設計できる設計士は少ないです。
設計の都度、耐震性を確認するとなると簡単ではなくなります。
自由設計でログハウスを建てるとなると優秀なスタッフも必要な上、手間・コストもかかるので、儲からないです。
本物のログハウスが建てられる工務店を探すポイント
本物のログハウスを建てるには日本の工務店では無理なのかというと、必ずしもそうではありません。
フィンランドは国策でログを輸出しようとしているので、実はログを販売する会社が結構ある様です。
ログを売るだけではなく、図面を起こしてくれます。一旦フィンランドで組み立ててくれる会社もある様です。
それだけではなく、窓やサッシもフィンランドから買うとそれらの大きさも図面に反映して、ログの長さもあわせてくれます。
工務店は平面図と外観図をフィンランドのログ会社に送りさえすれば、組図を作成してくれて、積算計算して必要な部材は揃えてくれるので、かなりの部分をやってくれるのです。
日本にログ一式が到着したらば、組み立てるだけの状態になっていると言います。
だから、工務店がやる気さえあれば、しっかりしたログハウスを建てる事が出来る筈です。
つまり、もしあなたが本物のログハウスに住みたければ、フィンランドログの会社と取引している工務店を探せば良いでしょう。