
ログハウスの間取りを決める時の注意点


間取りを決める上でのログハウスならではの注意点をまとめてみました。
ログハウスでは一般住宅と随分異なった間取りになります。
例えば一般住宅では各個室に入るには廊下を通る間取りになりますが、ログハウスでは廊下をあまり作りません。
間仕切りが少なく、大きな空間になりがちです。本当にそれで良いのか?
間取り図を示してログハウスの間取りの決め方について考えたいと思います。
ログハウスの間取りの決め方のポイント
ログハウスの玄関の位置
Bess等の既定プランでは、玄関を開けたら目の前が居間になっている間取りが多いです。
別荘ならともかく、住宅としてのログハウスの場合、居心地悪く感じる人も少なくないでしょう。
玄関ホールがあると防犯上もプライベートを守る上でも安心です。
端に玄関を作る間取り
私のお薦めは玄関を端に設置する間取りです。
ログハウスを建てる土地の広さ等の条件によっては難しい場合がありますが、端に玄関を作る方が間取りを決め易いでしょう。
初めて訪問する人にとっても玄関の場所が分かり易いと思います。
玄関ホール部分は下のログハウスの様に屋根を張り出す余裕があれば、理想的です。
玄関ホールを小さく作り易いです。
下の間取りの例では南側に玄関は向ていますが、北側向きにも設置し易いです。
屋根を張り出し玄関ホールを作るとログハウスを建てる土地に合わせて向きを決められる利点があります。
土地の広さ等でなかなか上の様に屋根を張り出して玄関ホールを作るのは難しい場合が多いかと思います。
そういう場合、西側に玄関ホールを設置したのが下の間取りです。
コンパクトにまとまった間取りです。
中央に玄関を作る間取り
玄関を中央に置くと、部屋を左右に分断してしまう間取りになってしまうかもしれません。
でも、決め易い間取りです。左右の部屋の大きさによって、玄関の大きさも影響を受けやすいです。
下の間取りは北側玄関です。敷地に入る門扉が北側にあれば、南側はプライベートが守りやすいでしょう。
冷暖房と吹き抜け
長野県の標高の高い所にログハウスを建てるのならば、夏はエアコンが無くとも涼しく過ごせるのかもしれません。冷暖房は冬の暖房だけを考えれば良いというのならば、薪ストーブを設置して家中、暖かくなる間取りが良いかもしれません。
リビングの吹き抜けを広くしたり、間仕切りを少なくして大きな空間でログハウスらしい間取りでもよい訳です。
一方、夏は暑い盆地にログハウスを建てる場合は、エアコンを設置したいでしょう。
リビングの天井は広い吹き抜けにすると冷房が効き難くなります。ダイニングとリビングも間仕切りをして別の部屋にした方が良いかもしれません。
その分、薪ストーブを設置しても家中に暖気を行きわたらせるのは難しくなります。暖房もエアコンやファンヒーターを各部屋に設置することになるのかもしれません。
この様に冷暖房を考えて間取りを決めたいものです。
薪ストーブの位置
家の隅に薪ストーブを設置しがちですが、私はあまり良くないと思ってます。
暖気は横に移動し難いので、折角、薪ストーブを焚いても暖かい場所が限られてきてしまうのです。
出来れば家の中央に置きたい所です。
しかし、屋根抜き煙突の場合、メンテナンスを考えると屋根の開口部は端にあった方が都合が良いです。
だからせめて家の四隅以外の壁際に設置してはどうでしょうか?
私はログハウスを建てた後、煙突工事をしました。
そうすると窓の位置に重ならない様に薪ストーブを設置しなければなりませんでした。必然、設置場所は決まってしまいました。
1階のキッチンではまだ寒いのに、ロフトは暑くなり過ぎるといった状況になりがちです。
薪ストーブの上は吹き抜けなので、暖気はロフトに上がってしまうからです。
出来れば、ログハウス建築時に暖房の効率性を考えて薪ストーブの設置場所を決めた方が良いでしょう。
下の間取り図はリビングとダイニングの間に薪ストーブを設置したログハウスです。
南西の四隅にあるよりも、薪ストーブの暖気はダイニングに伝わり易いです。薪ストーブの位置は壁際なので、人の行き来の邪魔になり難いです。
同じ壁際でも、内側の壁際に薪ストーブを設置すると、さらに家の中に暖気が届きやすくなります。
下の間取り図では、南東に玄関を設置して、玄関の内側の壁際に薪ストーブを置いています。
これぐらいの位置になると暖気はフロア全体に伝わり易くなるでしょう。敢えて薪ストーブの上は吹き抜けにしないで、1階全体を薪ストーブで暖めるという考え方もあります。
暖気は上に移動し易いので、ロフトは自然と暖まり易いです。だから1階の暖房を重視した間取りにしても良いかもしれません。
ログハウス建築時に薪ストーブの位置を決めると煙突を通す屋根の位置が決められます。
どこでも屋根に煙突の穴を開けられる訳ではありません。屋根の強度を損なわない位置に煙突は通す必要があります。
だから、ログハウスを建てた後薪ストーブを設置する場合、煙突の位置に困る場合があります。
トイレの音に注意
ログハウスに住んでみて気づきましたが、予想以上に音が伝わりやすいです。
トイレがリビングやダイニングに近いと、音がそのまま聞こえてしまうでしょう。
女性は嫌がりますね。
出来れば来客がある場所や家族が集まる部屋から離れた場所にトイレは作りたいものです。
時々、玄関の奥にトイレがあるログハウスがありますが、私はあまり評価しません。
トイレや風呂に行くのに玄関ホールを通らなければならないのは不便ですからね。玄関に来ている来客にトイレの音を聞かれるのはいい気がしませんよね。
最適な場所にトイレを設置できなければ、トイレの前にもう一つ扉を設けると音が伝わり難くなります。
下は実際よく見かける間取りです。
玄関ホールを通らないとトイレや風呂に行けません。一見、コンパクトにまとまった間取りになっています。
別荘ならばこれでも良いのかもしれませんが、住宅としてのログハウスだと、やはり住み難いでしょう。
収納スペースを作ろう
ログハウスは収納スペースが作りにくい気がしています。
ログ壁は一般住宅の壁より厚く、その分スペースを取るからなのでしょうか?
間取りを決める際に納戸を必ず設ける様にしましょう。
また、ログ壁の上部はログを残し、下部は棚などの収納にすると便利です。
木の扉を付けるとログ壁と一体感が出て面白いデザインになります。
高いがっちりとした基礎部分を有効活用する方法もあります。
ログハウスを支える為ですが、収納スペースに少し利用する方法もあります。
床下はかなり広いスペースになっています。
ファンヒーターや扇風機といった季節によっては使わない家電などは、床下の基礎部分に置ける様にしてはどうでしょうか?
床下は風通しを良くして湿気がこもらない様にしなければなりません。でも、広い空間になっているので、大型電気製品を置く位なら収納スペースとして利用しても良いでしょう。
基礎部分の点検口を大きく取り、床下にステップを備え付けて昇降がし易い様にして置きます。
床下は時々、点検が必要です。
多少物を置くと、時々、床下に降りる事になります。おのずと床下の点検をする様になり一石二鳥になると思います。
南側は屋根を深くする
屋根がかかっているデッキを作るならば、南側が良いです。
日がよく差すのは南側だからです。
ログは紫外線に出来るだけ当たらない方が良いです。
南側の屋根が深いと日を防ぎ、家の中にも西日が入り難くなると思います。
勿論、土地の形状や大きさによって一概に南側が良いとは言えません。
また、雨を防ぐ方に屋根を深くするという考え方もあります。
日本には南西から台風が来ますので、やはり南側が雨に当たりやすいのではないでしょうか?
場所により北から雨が降りつけ易いならば、北側面の屋根を深くすると良いかと思います。